私は、カイロプラクティックの学校で学んでおり、カイロのテクニックも使えますが、
現在はあまり使用しません。というのもカイロの基本理念は「骨格を調整することにより、神経の流れをよくし、自然治癒力を最大限に発揮させる」ということですが、実際の臨床経験上、筋肉に起因する症状がほとんどであると感じているからです。また骨をすばやく動かすと筋肉を一瞬でリリースする(緩める)こともできるので、骨をポキポキ動かして効果がでるのは、実際には筋肉を緩めていることが多いのではないかと考えてはいます。
それでは骨を動かした方が、筋肉をほぐすよりてっとり早いのではないかと思われるかもしれませんが、目的の筋肉を緩めるには特定の骨を「正確な方向に素早く」動かすのがポイントで、方向が少しでも違ったり、この素早くがちょっとでも遅いと逆に痛めてしまうというリスクがあります。
ということで、少し時間はかかりますが、筋肉をほぐすという手法をとっています。
また最近「筋膜リリース」という言葉もよく聞かれますが、簡単に言うと、縮んだ筋肉とそれを包む筋膜との隙間をもとに戻すことであり、筋肉を緩めてあげることと変わりはないと考えています。たとえばストッキングを履いてしわになってしまっている時のストッキングのしわを伸ばすのが筋膜リリースです。筋膜に触れずに筋肉にアプローチできませんので、
筋肉がちゃんとほぐせれば、必然的に筋膜はリリースされることになるはずです。